3歳のお子様の気管支喘息の症状について、かかりつけ医の先生からステロイド吸入薬を使用するように言われたということですね。
これは、日本でも全く同じことを行います。
気管支喘息に対する長期的な管理のために吸入ステロイド薬を毎日使用することは、日本の小児科学会が定める気管支喘息ガイドラインに即しており、標準医療です。(世界中の標準医療です)
かかりつけ医の先生からもお話が合ったかと思いますが、気管支喘息の治療には、大きく分けて二つの軸があります。
コントローラー(長期管理薬)とリリーバー(急性増悪時治療薬)です。
リリーバーは、ゼイゼイなどの発作が起こったときに、その発作を鎮めるための治療です。
これで、いったんは発作は収まるわけですが、気管支喘息の患者さんは、発作が起こっていないときも気管支に炎症がずっとある状態ですので、これをしっかりコントロールする必要があります。
コントローラーを使用することで、日ごろの炎症を鎮め、発作が起こりにくい状態を維持します。
適正にコントローラーを使用していないと、発作が頻繁に起こりやすくなったり、発作時により強い薬剤を使用する必要がでてきたりします。
そして、気管支の炎症が良くない状態が続くことで年長になっても気管支喘息の体質を持ち越す可能性があります。
ですので、気管支喘息の治療には、リリーバーだけでなく、コントローラーを毎日しっかり行うことが重要です。
ステロイドについて、いろいろな話が出回っており、抵抗があるのも無理はありません。
ステロイドの長期使用について、副作用があるのは事実ですが、その副作用はほとんどの場合、ステロイドを全身投与(内服や点滴)で長期間使用した場合に起こります。
吸入ステロイドは、局所に対するものですので、適正に使用している範囲では、副作用も起こりにくく、癖になるということもありません。
通常は、数か月~半年単位でコントローラーを使用し、その間に発作が起こったか、頻度はどうか、などを見て、調整していきます。
また、Axotide 125という吸入薬について調べたところ、日本でのフルタイドエアゾールと同じものでした。
ので、薬剤としても日本と同じものを使用しているようです。
お子さんは3歳と言うことで、しっかりコントローラーを用いて気管支喘息の状態を管理することによって、比較的早期に軽快し、コントローラーが必要でなくなることが期待できます。
日本小児アレルギー学会が発行している、患者さん向けの気管支喘息ガイドラインがウェブ上で参照可能です。
リンクは以下の通りですので、よろしければ合わせてご覧いただけましたらと思います。
https://www.jspaci.jp/gcontents/childhood-asthma-guideline/