2021/10/28
今回は「環境の変化」、少しわたし自身についてもお話したいと思います。
この夏は、日本に戻り、母の介護のため3カ月ほど実家で過ごしました。
寝たきりの母のために、看護師さんやドクターが定期的に家に来てくれました。父もいますし、1日中付きっきりの介護ではありませんが、今までの生活とは異なることばかりでした。
毎日の料理や家事と母のケアに時々オンラインでの仕事も加わり、時間に追われる日々。母の具合が夜中や明け方に悪くなることもあり、睡眠時間が1日4時間ほどの日が続き、日に日に疲れがたまっていきました。
でも日々「やらなければいけないこと」はたくさんあります。日課だった寝る前のヨガや読書もしなくなり、毎日実家にいて自分の時間、息抜きする時間をとることも忘れていました。
生活のリズムが変わって1カ月半ほど経つと、疲労感に加え何かと悲しくなり涙する回数が増え、自分らしくないな~と感じ始めました。にこやかな顔をしているときも減っていたかもしれません。
毎回、優しい言葉で私たち家族を励ましてくださるドクターは、実家での看取り介護が始まってすぐに「完璧を目指さず、60%くらいできたら十分と思ってくださいね」と言ってくれました。
でも日に日に、母と家のことは「もっときちんとやらないと、もっとできる!」という気持ちになり、目まぐるしい日々も当たりまえになっていました。
ひとりで介護をしていたわけではないので、もう少し周りに頼ることもできたのかも、と今なら思えます。
でも、当時は、母が少しでも長生きしてくれることを願いながら、とにかく最善を尽くしたいという思いで、自分のことはおかまいなしになっていたように思います。
育児・子育てと介護で「やるべきこと」は異なりますし、子育て中の楽しみや嬉しさと、介護中の感情は違いますよね。
でも、急に生活のリズムが一転して、自分の時間がない、寝不足や疲労感に悩まされるのは似ているかもしれません。
でも、わたしが介護に専念する時間には限りがあり長くても数カ月。それなのに、情けないですが、気づいたときには自分の体力や気力の限界まできていたように思います(育児中のママさんとは年齢や体力も違うと思いますが…(笑))
自分のペースで行動できない、何よりひとりで全部やらなければという思い、時間に追われている、息抜きができないというは日々が続くと、本当にしんどくなりますね。
数カ月の看取り介護を終える頃になると、改めて、大切な人のためにはつい頑張り過ぎて、自分のことはおかまいなしになってしまうのだと気づきました。同時に環境の変化や自分の置かれる場所が変わっても、つらくなり過ぎないよう気をつけることの大切さも実感しました。
育児が始まり、わからないことが多いなか、ワガコのために過ごすママさんたちの日々は、嬉しい反面、大変なこともたくさんあると思います。なので、育児・子育て中も「感情のコントロール」ができなくなってきたな(急に悲しくなったり、怒ったりしている)と感じたら、以下のことを心がけていただけたらと思います。
🔶自分ひとりで家事・育児を全部やろうとせず、周りの人を頼ることを忘れずに。身近に頼れる人がいないときは、地域の子育て支援サービスなどを利用する
🔶完璧を目指さない。 少しでも手を抜けるところは手を抜いて、休む・寝る時間をとる
🔶ほんの少しでも、定期的に自分の時間をもち、息抜きをして気分転換をはかる
感情をバロメーターにして、体力・気力の限界を感じる前に、周囲の協力を得ながら、自分らしさも大切に育児・子育てができますように
最後に........スイスに戻り今では、大変だった思いやしんどかったことは、体のどこにも記憶されず頭にも浮かびません。母、家族と過ごせた貴重な時間、楽しかったひと時のことばかり思い出します。💛
長い記事になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。