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執筆者の写真La terre la mère

風邪に抗生物質?/まゆこvol.21

現在、新型コロナウイルスの問題で、みなさんいつも以上に感染対策に気を使っていらっしゃるかと思いますが、本来、こどもというのはたくさん風邪を引くものです。

小さい乳幼児が、高熱や咳、鼻水の症状で苦しんでいるのをみると、親としてはとてもつらいし、何とかしてあげたいと思いますよね。

そこで医療機関を受診することも多いと思います。

医療機関で、「風邪」(おもに急性上気道炎)と診断されると、感冒薬や解熱剤を処方されることが多いと思いますが、中には「なぜ抗生物質はないのですか?」と疑問に思われることがあります。

しかし、「普通の風邪」に「抗生物質」というのは効きません。

風邪は、ほとんどの場合、ウイルス感染によるものです。

そして、抗生物質(抗菌薬)というのは、細菌感染に対して使うお薬です。

抗生物質はウイルスをやっつけることはできません。

風邪ウイルスというのは、風邪症状を引き起こすたくさんのウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど)の総称ですが、いずれに対しても効果のある抗ウイルス薬は通常ありません。

ですので、ウイルス感染による風邪は、人間に生来備わっている「自然治癒力」で治すものです。感冒薬や解熱剤はあくまで「対症療法」、つまり症状を緩和し、自然治癒力での治癒をサポートする役割です。

つまり、風邪に対して抗生物質(抗菌薬)は必要ありませんし、効果がありません。

最近、「抗生物質の適正使用」ということが注目されるようになっています。

特に日本では、諸外国と比べて軽症の上下気道炎に対する抗生物質の使用頻度が高いそうです。

抗生物質をやみくもに使用することは、効果がないだけではなくて、耐性菌を生み出す可能性があります。

耐性菌というのは、普通だったら抗生物質が効くはずなのに、突然変異して通常の抗生物質が効かなくなった細菌のことを言います。

この耐性菌が問題になってきていて、医療者側としても、不必要な抗生物質を使用しないようしようと呼びかけを行うようになりました。

これまでに普通の風邪症状で抗生物質を処方され、服用していた方からすると、次に風邪にかかったときに抗生物質が処方されなくなると心配になりますよね。

でも、本来は風邪に抗生物質は必要ありません。

抗生物質は、本当に必要になったときのために温存しておくべきものなのです。

ですので、抗生物質が処方されなくても心配いりません。

医療機関で診察を受け、処方内容について疑問や心配事があれば、もちろん医師にその場で聞いてくださいね。

もし聞きそびれた場合はあとで問い合わせることもできますし、処方箋薬局で薬を購入するときに、薬剤師さんに質問することもできます。




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