前回、新生児~乳児期早期のビタミンK欠乏症について書きました。
それに関連して、重要なのが赤ちゃんのうんちの色です。
赤ちゃんが産まれてから、ママさん、パパさんは毎日のように何度も赤ちゃんのうんちを見ることになります。
頻回に出る赤ちゃんのうんち、実はうんちというのはとっても重要な健康のバロメーターです。
特に今回はうんちの色に注目します。
現在の日本の母子手帳には、下のような便色カードが付帯しています。
赤ちゃんのうんちの色は、生まれたばかりのころは「胎便」と言って、黒いドロッとしたうんちです。(海苔の佃煮のようなうんち)
その後、月齢の浅い間は、茶色というより黄色~黄土色のような色をしています。
しかし、それよりも薄いクリーム色や灰色のような色は異常なうんちの色です。
上の便色カードと見比べて、1~3番のような薄い色のうんちが出る場合は要注意です。
とても稀ではありますが、以下のような疾患の可能性がありますので、医療機関で診てもらう必要があります。
・胆道閉鎖症
・先天性胆道拡張症
・新生児肝炎
・シトリン欠損症
・その他の先天性代謝異常症
など。
中には、普段は普通の色のうんちが出ていて、一回しか薄い色のうんちが出ない、という場合もあります。
そういった場合でも異常が隠れていることがありますので、毎回うんちの色をしっかり確かめて、おかしいなと思ったらそのうんちを持って医療機関を受診するか、それが難しい場合は写真に撮って医療機関を受診しましょう。
もちろん、うんちの色が薄いことがあっても、必ず上記のような疾患があるわけではなく、正常の場合も多いです。
日本では上述した通り、現在では母子手帳に便色カードが付いていますが、私がスイスで出産した時にはそういった見本はありませんでした。
助産師さんから口頭では注意を促されたと思いますが、なかなか実際に見てみないとピンとこないかもしれません。
(日本大使館・領事館からもらえる日本の母子手帳代わりのものにも便色カードの付帯はありませんでした)
新生児の赤ちゃんがいる家庭や、これから赤ちゃんが産まれるご家庭の方は、注目してみてみてくださいね。
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