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執筆者の写真La terre la mère

急性胃腸炎について/まゆこvol.22

今日は、急性胃腸炎についてお話ししたいと思います。

急性胃腸炎と言うのは、腸に病原体が感染し、嘔吐・下痢を引き起こすものです。

しばしば発熱を伴います。

時に嘔吐の症状が重症で、脱水症状を来すことがあり、1~2歳以下の乳幼児では入院加療を必要とすることもあります。(年長児は、あらかじめ蓄えている水分量に余裕があるので、入院加療になる頻度はうんと少ないです)

季節としては冬に見られることが多いですが、夏に見られることもあります。

お子さんの急性胃腸炎の場合、そのほとんどが、ウイルスによるものです。

特に、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスが有名です。

数年前から、ロタウイルスワクチンが導入され、今年の10月1日から、定期接種になります。

ロタワクチンの導入により、重症のロタウイルス腸炎の症例は減少していると思われます。

特にロタウイルス腸炎の場合、非常に稀ですが、脳症を引き起こすことがあります。

定期接種に組み込まれることもありますし、しっかり接種しておきたいです。

急性胃腸炎に罹患すると、まず嘔吐の症状が現れ、遅れて水溶性下痢を来すことが多いです。

嘔吐症状は長くても24時間程度、多くは半日程度で収まりますが、嘔吐の勢いが非常に強い場合、水分補給が間に合わず、脱水症状を来すことがあります。

何度も何度も繰り返し嘔吐して、脱水になると、活気がなくなる、目が落ちくぼむ、口腔内の粘膜が乾燥する、皮膚の張りがなくなる(ツルゴールの低下と言います)などの症状が出てきますので、その場合は要注意です。

嘔吐の症状があるとき、無理に固形物を与える必要はありません。

少なくとも水分(イオン水が好ましい)がとれていれば大丈夫です。

果汁なども避け、糖分や塩分の含まれたクリアウォーターにしましょう。

しかし、嘔吐の勢いが激しいと、水分を口に含んだだけでも、刺激になってすぐに戻してしまう、ということもよくあります。

そういうときの水分の与え方のポイントは

・嘔吐が落ち着いくのをしばらく待つ

・落ち着いたら、スプーン一杯の水分から開始する

これが重要です。

もしこどもにコップやマグごと渡してしまうと、本人は喉が渇いているので、グビグビ飲んでしまいます。それはおなかに大きな刺激となって再度嘔吐の波がやってきてしまいます。

ですので、スプーンでほんの一口ずつあげるようにしましょう。

スプーン一口飲んでみて、またしばらく待って、大丈夫そうならもう一口、またしばらくまって大丈夫そうなら、次は、二口、三口、と少しずつ増やしていきます。

スプーンであげてみても、嘔吐を繰り返す、ということでしたら、それはもう水分すら受け付けなくなっている可能性がありますので、急いで医療機関を受診するようにしましょう。

頻度はぐんと下がりますが、細菌による、細菌性胃腸炎というものもあります。

細菌性胃腸炎を引き起こす三大細菌は、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクターです。多くはウイルス性胃腸炎よりも症状が苛烈で、しばしば血便を伴います。

お子さんに血便が見られたとき、急性胃腸炎であるかどうかにかかわらず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。




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