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執筆者の写真La terre la mère

小児科医が子供を病院に連れて行こうと思う症状/まゆこvol.58


先日息子がクループ症候群を発症しました。

クループ症候群というと、聞いたことがある人もいるかと思いますが、はっきりどういった症状を指すのかあいまいなこともあると思います。

以前の記事で、こどもの咳の種類/まゆこvol.20 というのを書きましたが、ここではクループの症状についてより詳しく整理させていただきます。


クループ症候群というのは、いわゆる風邪ウイルスが引き起こす症候群の一つですので、普通の風邪と同様に、発熱、全身倦怠感がありますが、さらにクループ症候群の特徴的なの症状が以下の通りです。

  • 犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)

  • 嗄声(かすれ声)

  • 吸気時喘鳴(息を吸うときにゼイゼイ、ヒューヒューとした音が鳴る)


特に犬吠様咳嗽と言われても、聞いたことがないとどんなものかわからないと思います。よくオットセイの鳴くような声と説明されますが、なかなか想像が難しいともいます。ということで、今回はうまく息子の犬吠様咳嗽を音声でとらえることがきでましたので、紹介します!

こちらです↓


この咳、聞いたことがある方も多いかと思います。普通のコンコンとした咳とは違いますよね。これを犬吠様咳嗽と言います。いわゆる”クループの咳”です。


あとは嗄声(かすれ声)、吸気時喘鳴(息を吸うときのヒューヒュー、ゼイゼイ音)はなんとなく想像がつくかと思います。

(ちなみに気管支喘息は”呼気性喘鳴”ですので、主に息を吐くときにヒューヒュー、ゼイゼイ音が鳴ります)


このクループと言うのは、主に上気道の感染によって起こります。つまり、下気道(気管や肺)ではなく、のどのあたりの炎症です。のどに炎症が起こり、そこが狭窄するため、とくにもともとまだまだ気道が細い小さなお子さんだと、上記のような症状を引き起こします。


多くはウイルス感染によるものですので、重症化することは少ないですが、稀に細菌感染によって起こることがあります。これは大変重篤な疾患となります。

その判断はご家庭では難しいですので、クループ症候群が疑われるとき、つまりお子さんに上記のような犬吠様咳嗽が見られた場合は急いで病院を受診する必要があります(夜間、休日の場合は救急受診)


タイトルにもありますように、これが小児科医でも我が子を受診させようと思う瞬間です。

私事ながら、軽症のものであれば普段はこども病院に受診させることがありません。

しかし、クループと言うのは上記の通りあなどれない疾患です。


細菌感染でなかったとしても、症状が強い場合は、犬吠様咳嗽や吸気時喘鳴でとても苦しそうに見えます。

病院へ連れて行くと、ボスミン(アドレナリン)吸入を行ったり、デキサメタゾンの内服をしたりして、上気道の炎症を抑えて症状を緩和する治療をしてくれます。



特にもともと気道の狭い0歳~3、4歳までが罹患しやすい症候群です。

この独特の咳の音を覚えていていただいて、お子さんにこのような症状が見られたら急いで受診するようにしましょう。





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