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執筆者の写真La terre la mère

小児への新型コロナウイルスワクチンに関する「基礎疾患」とは/まゆこvol.56

こんにちは、まゆこです。


日本の各地で小児への新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり、接種をどうしようかと考えおられる親御さんも多いかと思います。


現在、日本においては小児への新型コロナワクチン接種は「努力義務」からは外されています。(大人は「努力義務」があります)


果たして小児に対してワクチンを接種すべきかどうか悩まれるご家庭も多いかと思います。

実際、日本小児科学会の公式なステートメントとしては以下の通りです。


5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考えています。健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。


あいまいな書き方ですので、これを見ても悩む親御さんも多いかと思います。

(個人的には、小児科学会のような権威ある組織が「メリット、デメリットを十分理解し、接種を推奨するかどうかはっきり言及するべきと思います)


一方で、「基礎疾患のある小児」は、新型コロナウイルス感染症に罹患した時の重症化のリスクがはっきりしており、新型コロナウイルスワクチンを接種するメリットはより明白です。


日本以外の国でも、少なくとも基礎疾患のある小児へは標準接種となっている国が多いと思います。


ここで言う「基礎疾患」とはなんでしょうか。

「定期的に通院するような疾患があるけれど、これは新型コロナウイルス感染症の重症化リスクになるのだろうか?」と疑問に思われている方もいるかと思います。


そこで、最近、日本小児科学会が、「新型コロナウイルスワクチン接種にあたり考慮すべき小児の基礎疾患等」をリストアップして公開しました。

それは以下の通りです。

①慢性呼吸器疾患

・慢性呼吸器疾患(気管支喘息を除く)

・気管支喘息(コントロール不良の難治性喘息)


②慢性心疾患

・先天性心疾患

・後天性心疾患、心筋疾患、不整脈、肺高血圧、冠動脈疾患(有症状、または治療中)

③慢性腎疾患

・慢性腎疾患、末期腎不全血液透析、腹膜透析を受けている・腎移植免疫抑制療法を受けている


④神経疾患・神経筋疾患 ・脳性麻痺 ・難治性てんかん・神経疾患 ・染色体異常症 ・重症心身障害児・者 ・神経発達症 (マスクの着用が困難である場合)


⑤血液疾患

・急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、ランゲルハンス細胞性組織球症、血球貪食症候群、慢性骨髄性白血病 ・再生不良性貧血、先天性好中球減少症などの骨髄形成不全 ・造血幹細胞移植後半年以降 ・原発性免疫不全 ・溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(免疫抑制療法を受けている)


⑥糖尿病・代謝性疾患

・アミノ酸・尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、糖質代謝異常症、ライソゾーム病、ミトコンドリア異常症


⑦悪性腫瘍

・小児固形腫瘍


⑧関節リウマチ・膠原病

・リウマチ性疾患、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、血管炎症候群


⑨内分泌疾患

・副腎機能不全、下垂体機能不全など ・甲状腺機能亢進症


⑩消化器疾患・肝疾患等

・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など) ・胆道閉鎖症(葛西術後) ・肝移植、小腸移植後 ・自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎 ・肝硬変、肝不全 ・短腸症


⑪先天性免疫不全症候群、HIV感染症、その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態


⑫その他の小児領域の疾患等

・高度肥満 ・早産児 ・医療的ケア児 ・施設入所や長期入院の児 ・摂食障害体重減少が著しい場合(極端にやせが進行した場合)


⑬海外での長期滞在を予定する者


以上です。各項目には注釈もありますので、詳しくは日本小児科学会のホームページをご覧ください。



ちなみに最後「⑬海外での長期滞在を予定する者」とありますが、これは、医療のアクセスが日本のように良くない国や地域も含まれていますから、そういった意味での一般論であると理解することができます。

(ですので、日本と同様の医療アクセスのある国では必ずしもこの限りでないと思います)


以上のような基礎疾患のある小児の親御さんは、主治医の先生と相談の上、接種を検討されることが望ましいと思います。


新型コロナウイルスパンデミックが始まって二年以上たちます。

このままなんとか鎮静化し、以前の日常が戻ってくることを祈っています。





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