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執筆者の写真La terre la mère

小児の肥満問題/まゆこvol.57

みなさんこんにちは、まゆこです。


スイスでもずいぶん春らしい日が増えてきて、過ごしやすい季節になってきました。


今日は、小児の肥満問題について書きたいと思います。


「メタボリックシンドローム」と言うと、一昔前までは成人病と言う言葉であったように、大人の病気というイメージが強いかと思います。

しかし現代では、小児の肥満がどんどん増えてきており、小児も肥満からメタボリックシンドロームを引き起こすことが問題になっています。

小児の肥満について、小児内分泌学会のウェブサイトより抜粋します。


肥満の基準は?


小児の肥満は「肥満度」(単位%)であらわされます。

幼児: 肥満度15%以上:太りぎみ、

     肥満度20%以上:やや太りすぎ

     肥満度30%以上:太りすぎ


学童: 肥満度20%以上:軽度肥満

     肥満度30%以上:中等度肥満

     肥満度50%以上:高度肥満


と定義されます。肥満度の計算方法はややこしいですので、小児内分泌学会のHPに出ている肥満度曲線を参照して算出してください。


肥満が引き起こす病気

なぜ肥満になると問題なのかというと、肥満にはたくさんの重篤な合併症があるからです。

代表的なもので言うと、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化です。

2型糖尿病は特に食生活が問題であることが多く、ひどくなるとインスリン投与が手放せない状態になってしまいます。

(小児の場合、1型糖尿病の方もいらっしゃいますが、それは原因が異なります)


大人で聞くような、動脈硬化から、さらには心筋梗塞や脳梗塞に至るという恐ろしいことが、小児でも起こることがあります。

また小児の間はなにもなくても、大人になったときに蓄積されたものが一気に症状として現れることもあります。

年長児期に肥満であった場合、大人になっても引き続き肥満になってしまいやすいということもわかっています。


肥満に対してできること

一番にはバランスの良い食生活を心がけること、普段から適度な運動を行うことです。

ただし、進行してしまった肥満症は家庭内での努力だけではなかなか改善が難しいです。

上記の診断基準に照らし合わせて肥満であると判断される場合は、早期に小児科を受診しましょう

医療機関の介入によって、肥満はかなり改善することがわかっています。


毎日お子さんをみていると、なかなか肥満だと気づきにくい、もしくは肥満でも、元気なら問題ないと考えてしまうかもしれません。

定期的にお子さんの身長や体重を計測して、記録しておくことがとても大事です。

日本だと、保育園や学校でも毎月1回身体計測があることが多いかと思います。


私の住んでいるスイスでは、特にそういった習慣がありませんので、自宅で定期的に計測し、母子手帳などに記録するようにしています。


以上、肥満についてお話ししました。

小児科内分泌学会ホームページにより詳細な記事が出ています。

併せて参考になさってください。








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