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執筆者の写真La terre la mère

子育ての困難な家庭をどのように見つけるか~日本とスイスの特徴~/まゆこvol.12 

更新日:2020年9月8日

最近の、子供に関する大変痛ましいニュースを見て、心を引き裂かれる思いをされている方も多いのではないかと思います。

あらゆる個人の生活がある中で、どのように子育ての困難な家庭を見つけて、必要なヘルプを行っていくのか、ということが大きな課題です。

現在日本には、子育てに困難を感じるご家庭、保護者の方の力になってくれる機関が複数あります。

地域の子育て支援課

児童相談所

医療機関(病院、クリニック)

民間団体

など。

しかし、なかなか目が行き届いていない、保護者の方からのアクセスがしにくい、ということがあるのかもしれません。

機関の方から、保護者の方の様子をうかがう機会としては、

出産時に産院・病院にて(困難な環境が予想される場合にはこの時点で介入があります)

産後の助産師訪問(地域にもよりますが、数回までだと思います)

定期の乳幼児健診・予防接種

教育機関(幼稚園・学校)


、保育所

など

やはり、こういったものもすり抜けてしまうご家庭があります。

たとえば、定期の乳幼児健診に来られなかったご家庭には、その後職員が連絡をとったり、ご家庭を訪問したりする自治体もありますが、その時点で連絡が取れなければ、それっきり、ということもあるようです。

やはり、こういった見守るべき機関のマンパワーや予算をもっともっと増やしていく必要があると思います。

一方で、私はスイスに住んでいて、スイスで子育てしていますので、スイスのやり方について、すばらしいな思うところがあります。

産後の助産師訪問の回数が多い(経産婦でも10回以上、初産婦の場合は最大16回程度)

→産後は特に、ホルモンバランスの崩れもあいまって、ママさんが孤独に陥りやすい時期だと思います。

そんなときに、助産師さんが来てくれて赤ちゃんの様子を見てくれて、話を聞いてくれる、このサービスをたくさん受けられるというのは、大変すばらしく、私自身毎回とても楽しみにしていました。

助産師訪問が終わると、地域の担当看護師さんにバトンタッチ

→地域の担当看護師さんが割り振られ、必要があれば訪問してくださいますし、こちらから会いに行くこともできます。

電話やショートメールでの相談にも乗ってくれます。なにより、自分と自分の赤ちゃんのことについて、気にかけてくれる存在がいるというのは、また孤独から解放される気持ちになると思います。

義務教育が4歳から始まる

学校を休むのが簡単ではない

→こちらで義務教育を休むためには病欠以外の場合、事前に申請書を提出し、それが承認される必要があります。病欠の場合は、事後に申請書を提出します。さらに、病欠でも一週間以上の欠席の場合は医師の診断書が必要です。

さらに義務教育の開始が4歳からですので、より早い段階で困難な家庭を見つけることができるかもしれません。

日本では、里帰り出産や、出産前後にご両親が泊りがけでお世話をしてくれる、ということが比較的一般的ですが、スイスではそれが一般的でないので、産後の助産師訪問が充実しているのかもしれません。

日本では里帰りやご両親の助けを得られないご家庭がうもれてしまうのかもしれません。

一方で、子育て支援センターや児童館に関しては、スイスより日本の方が充実していました。

スイスでは、ローザンヌ界隈に児童館がありますが、いずれも、週に1~3回、午前か午後のみオープン、学校休み期間はお休みというところばかりです。

日本で行っていた児童館は、週4-5回、9-17時で、お盆やお正月以外は空いていました。

日本のすばらしいところを生かしつつ、外国の制度にも習って、より充実した子育て支援ができるようになることを祈るばかりです。

そして、私たち自身が何かできることを、といつも考えて今後も子育てを困難に感じるママさんたちを応援していきたいと思います。






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