6月も下旬となり、だんだん暑い日が増えてきていますね。
今年も「夏風邪」の季節がやってきました。
「夏風邪」というのは、夏にはやりやすい風邪症状をきたす感染症のことです。
主には、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜熱(プール熱)」のことを指しています。
いずれも、幼児を中心にかかりやすいウイルス感染症です。
飛沫感染、接触感染で感染することがほとんどですので、保育園・幼稚園・小学校などの集団生活や、お友達と遊ぶときにうつります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
手足口病
・手、足、口に小水疱を伴う発熱が数日間続きます。
・水疱は、ぷくっとした1-3mm程度の小さい水膨れで、赤みを伴っていることも多いです。
・口まわりや、口の中にも水疱ができて、痛がって飲食が困難になることがあります。
・ウイルスの型によっては、腰回りに水疱ができることもあります。
・原因となるウイルスは主にエンテロウイルス、コクサッキーウイルスです。
ヘルパンギーナ
・高熱(40度にもおよぶ)と喉や口の中の痛みを特徴とします。
・口の中の奥の方に、赤みを伴う小水疱ができます。
・口の中の痛みで、飲食が難しくなることがあります。
・原因となるウイルスは主にエンテロウイルス、コクサッキーウイルスです。
咽頭結膜熱(プール熱)
・高熱が数日間続き、結膜炎や眼脂(めやに)を伴います。
・プールを介して感染することもあるので、プール熱とも呼びます。
・原因となるウイルスはアデノウイルスです。
・病院、クリニックによっては、アデノウイルスの迅速検査を受けることができ、確定診断に至ることもあります。
以上のような特徴です。いずれもそれぞれのウイルスに対する「特効薬」というのはありませんので、症状を緩和する治療を行います(対症療法と言います)。
具体的には、発熱や口内痛に対して解熱鎮痛剤を使用する、水分(イオン水が望ましい)をしっかりとる、ということです。
「夏風邪」と名前がついていますが、最近では、年中通して見られることもあります。
基本的な感染対策はもちろんしつつ、それでも集団生活をしていると必ず風邪は引くものですから、そういったときも焦らずに対応したいですね。
高熱が続いて元気がない時は、医療機関を受診するようにしましょう。
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