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執筆者の写真La terre la mère

今冬の感染症/まゆこvol.63

最近は、ロンドンのとある病院で働き始めて、ローカルの感染症や疾病を身近に実感しています。

 

 

この冬大流行の咽頭結膜熱


 

 

日本では、咽頭結膜熱が大流行しているようですね。

咽頭結膜熱(別名・プール熱)は、一般的には「夏風邪」の一つに数えられます。

しかし、咽頭結膜熱に限らず言えることですが、今までは比較的季節性が見られた感染症も、近年は季節性がなくなりつつあって、通年みられることもしばしばです。

この冬は例年になく咽頭結膜熱が流行している様子です。

 

 

咽頭結膜熱はアデノウイルス感染症の一つです。


 

 

アデノウイルスの感染によって、咽頭炎、結膜炎を引き起こし、高い熱が出ます。

長ければ5日以上熱が続くこともあります。それなのに抗生剤は無効ですので、本人の免疫力・体力で回復してくるのを待つことになります。その間は、解熱鎮痛剤や去痰剤などを使用して症状を緩和する、という治療方針になります。

 

高熱が出ること、罹患期間が長いことを考えると、お子さんのお世話をする親御様からすると、とても心配でかつ仕事を休む段取りなどに苦慮する感染症と言えるかもしれません。

 

今年の前半から、日本でもCOVID-19対策がかなり緩和されまして、マスクをする機会が減ったり、いろいろな活動が元どおりに回復したりしているところです。もちろん、ずっと活動を自粛しているわけにもいきませんので、これは良いことではあるのですが、その分、COVID-19対策の間抑えられていたその他のたくさんの感染症が、一気に増えて広がっているように思います。

 

 

「前まではほとんど風邪を引かなかったのに、ここ最近立て続けに高熱が出るような風邪をひいて心配です」というご相談を受けることもとても増えました。


 

 

それはきっと、COVID-19パンデミックの間、厳格な感染対策によって、本来かかるべきであった風邪などのウイルスに暴露する機会が激減し、その分、対策緩和後たてつづけにウイルスをもらっているお子さんが多いのではないかと思っております。


ある程度は、成長の一過程ともいえる感染症ですが、高熱の期間が長くなると、もちろんご心配と思います。

お子さんの症状について心配が募る場合は、お近くの医療機関や医療サービスに相談することを躊躇しないでくださいね。



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