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執筆者の写真La terre la mère

こどもがけいれんしたときにするべきこと/まゆこvol.7

先日、息子(2歳ちょうど)が初めてけいれんしました。

乳幼児にとって、けいれんは珍しいものではありませんので、小児科救急を担当していると頻繁に(一晩に一例くらいの頻度で)遭遇します。

それでも、我が子が目の前でけいれんしているのを見ると、とってもびっくりしますし、たかだか数分のエピソードが大変長く感じ、いつまでも止まらないような気がしてしまいます。

乳幼児の初発のけいれんで大半を占めるのは「熱性けいれん」です。

風邪や突発性発疹で高熱が出るときに起こるけいれんです。

熱性けいれん(単純型)は、神経系の未発達な乳幼児によく起こるもので、あとあとにひびくような、後遺症を起こすような、怖いものではありません。

ですので、単純型熱性けいれんであれば、恐れる必要はないのですが、そのけいれんが、単純型熱性けいれんかどうかの見極めは必ず必要になります。

というわけで、けいれんが起きたら、夜間でも、休診日でも、関係なくすぐに救急受診しましょう。(特に熱性けいれんは夜間・朝方に起きることが多いです)

初めての場合は特にとても慌てると思いますので、すぐ自力で救急受診するのが難しそうな場合は迷わず救急車を呼びましょう。(けいれんが持続している場合は必ず救急車を呼びましょう)

今、まさにけいれんが起きている!というときにそばにいるママ・パパができることをお話ししたいと思います。

普段見ている我が子とまったく違う様子なので、大変ショックを受けると思いますし、だれもが冷静ではいられないと思いますが、以下のことを観察していれば、あとで医師たちの診断の大きな助けになります。

・けいれんしているときのこどもの様子

   ―腕や脚の様子、ガクガク動かしているのか、強直しているのか、左右対称であるか

   ―眼球の位置、上転しているか(上や左右に寄っているか)、左右対称であるか

・持続時間―時計や携帯を見て、だいたいの持続時間をみます。大きなけいれん(ガクガクや腕を前に突き出して強直など)が終わった後も、眼位がおかしい、呼びかけに反応しない、という状態の場合は、まだ小さなけいれんが続いていることがありますので、これも含めて記憶(・記録)してください。

・けいれん後は、積極的に話しかけて、意識状態を確認してください。

・もし、食事中など何か口の中に入っている場合は、のどに詰まる可能性があるので、けいれん中でも口の中から掻き出してください。

けいれんはこどもにとって、やはりとても気持ちの悪いものですから、けいれんがおさまれば、大泣きすることが多いです。そしてとても疲れるので、一通り泣いたら眠ってしまうことも多いです。このときに、ただ眠っているのか、呼びかけたり、ゆさぶったりすると反応するか、など確認してください。そして救急車などを利用して救急受診してください。

救急外来では、

・発熱があるかどうか

・発熱してからどのくらい経っているか(単純型熱性けいれんの場合は、発熱後24時間以内に起こるのが一般的です)

・解熱剤を使用したか

・持続時間は何分くらいであったか(単純型熱性けいれんの場合は15分以内です)

・左右対称であったか

ということを問診されると思います。

単純型熱性けいれんは約10人に一人くらいの割合で起こり、一度起こると、約半分くらいの人が再度起こります。

何度か起こったとしても、悪いものではないですし、大きくなれば自然となくなります。

医療現場で、よく目にしていても、こどもがけいれんしていると動揺するのは本当に同じです。そういうときも、できるだけ落ち着いて、こどもの様子をよく観察できるといいなと思います。




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