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執筆者の写真La terre la mère

Puce de canard(セルカリア皮膚炎)にご用心/まゆこvol.59

こんにちは、まゆこです。


日本でも、ヨーロッパでも暑い日が増えてきて、プールや湖に泳ぎに行き始めた方も多いのではないでしょうか。


湖などの自然の淡水で泳ぐ場合、注意しなければならないことがあります。


それがタイトルにあります「Puce de canard」です。

日本ではあまりなじみがないですが、「セルカリア皮膚炎」と言って、日本でも、湖や池、水田などで報告があります。


これは何かと言うと、淡水に生息する、ある種の寄生虫によって人間に皮膚炎を起こすものです。

名前の「Puce」はフランス語でノミと言う意味ですが、実際にはノミではなく、もっと小さな微生物で、目にはほぼ見えません。




この図のように、この微生物は、本来、カモ(canard)などの水鳥と、淡水に生息する貝を宿主として生態系を形成しています。

ですので、人間は、この微生物の宿主ではありません。

つまり、人間に感染することはできないのですが、人間を、宿主であるカモと間違えて皮膚内に侵入し、症状を引き起こします。

症状は、皮膚のぶつぶつとかゆみです。

まさに蚊やダニにかまれた時のように、皮膚に赤い発疹ができて、その部分がとてもかゆくなります。


ただし、人間は本来の宿主ではありませんので、その微生物はそれ以上人間の体内で増えることなどはできず、そのまま消えてしまいますので、何か健康を脅かすというものではありません。

まさに、蚊にかまれたように、一過性のかゆみがあるということだけです。


しかし、このかゆみがなかなかしつこく、不快な状態が数日間は続きます

かゆみ止めなどで症状を和らげることになります。


娘が数年前にこのPuce de canardになりました。

その時の衝撃写真が以下の通りです。

↓↓





見た目にもとても派手ですし、本人もすごくかゆがっていました。



こうならないように、湖水浴など、自然の淡水で泳ぐときは注意が必要です。

具体的には、水からあがったらすぐにシャワーなどで体を洗うようにしましょう。

もしシャワーがない場合は、タオルでごしごしとしっかり体を拭きましょう。

そうすると物理的にこの微生物を排除することができます。


我々の住んでいるレマン湖周辺では、Puce de canardへの関心は高く、これを防ぐようにいつも啓発されています。

ジュネーブ自然史博物館では、このPuce de canardに関する情報の展示もあり、とてもわかりやすく学べるようになっています。

ですので、湖水浴のできるビーチには必ずと言っていいほど公衆のシャワー設備があります。

(ただ、水温が低く、とても冷たいのですが💦)


毎年夏になると、必ず湖水浴に行く我が家ですが、Puce de canardの存在を知って、しっかりシャワーもしくはタオルで拭くようにしていて、それ以降このような症状に悩まされることはなくなりました。


みなさまも、夏のレジャーに向けて、このようなことにも注意して、楽しんでくださいね



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