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執筆者の写真La terre la mère

こどもの咳の種類/まゆこvol.20

小さな赤ちゃんが咳込んでいたり、なかなか咳が良くならなかったりすると、心配ですよね。

ひとことに「」と言いますが、「咳」にはいくつかの種類があることをご存知ですか?

「咳」のため医療機関を受診する際に、“どんな咳か”を医療者に伝えることができると、診断や治療方針決定に大変役立ちます。

咳の種類によっては、朝方のみにみられて、診察時、医療者の前だと出ないということもあります。

乾いた咳―「乾性咳嗽(かんせいがいそう)」

→分泌物のからまない、コホ、コホ、コン、コン、という咳です。一般的な風邪などは、乾いた咳がよくきかれます。(COVID-19の咳の特徴として挙げられるのもこの乾いた咳です)

短期間で軽快すれば、大きな問題になりません。

ゴロゴロした咳―「湿性咳嗽(しっせいがいそう)」

→痰や分泌物がからんで、ゴロゴロしたような音を伴う咳です。風邪が長引いたときなどに聞かれます。去痰薬などによって、痰の切れをよくすることによって改善が期待できます。

以上の二つが、咳のほとんどを占めますが、比較的頻度の低いもので、以下の要注意の咳があります。

ケンケンした咳―「犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)」

クループ症候群に伴う咳嗽です。一般に、ケンケン、犬の鳴くような、と表現されますが、オットセイの鳴き声のような咳、という方が近いと思います。上気道の主に喉頭周囲の炎症に伴う咳嗽で、多くはウイルス感染に伴うものですが、まれに非常に重篤な疾患であることがあります。この咳聞いたときは急いで医療機関を受診するようにしましょう。重篤な場合は入院加療が必要になることもあります。

ゼイゼイした咳―「喘鳴(ぜんめい)

→これは、気管支ぜんそくや、細気管支炎に伴うものです。咳、というより、呼吸の際に発する音です。ゼイゼイや、ヒューヒューという音が呼吸に伴って聞こえます。普通にしていると聞こえない場合がありますので、お子さんの呼吸回数が多い場合や呼吸が苦しそうな様子があるときは、お子さんの胸に耳をあてて聞いてみるとこのような音が聞こえることがあります。

これも、急いで医療機関を受診する必要のある咳です。

以上が、小児でよくみられる「咳」でした。

上の二つは、全身状態やほかの症状が悪くなければ、即座に受診しなければならない「咳」ではありません。

また、「咳」は、増加している分泌物や、気道にいる原因物質を取り除こうとする生体の自然な反応ですので、むやみに止めるという治療は行いません。

咳対策には気道の湿潤環境が重要ですので、「元気だけど、咳がながびくなー」というときは、室内の湿度を高めに保つことを心がけてください。

また、気管支ぜんそくについては、「喫煙者が家庭内にいること」、「住居内にカーペットがあること」、「ペットを飼っていること」がリスクを上げる因子ですので、気を付けてあげたいです。


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