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2020/6/4

自然にハイキング

前々回、「ゆらゆら動く感情」の中で、ポジティブな言葉には、ふしぎな力があります!と書きました。その通り、言葉には力があります、ときに人を励まし、共に笑顔になれるような言葉!でも、ときに言葉は人の心をきずつけ、悲しませてしまうこともあります。

今日は、言いたくなってしまっても、言うべきではない言葉についてのお話です。

まず、言うのを避けるべき言葉。それは、言われた相手がイヤな気持ちになったり、きずついてしまったりする言葉ですよね。

では、言葉によってきずつく、というのはどういうことでしょう? 言葉できずついた人のココロ、それは誰にも見ることができません。ココロがポキッと折れてしまったのか、それとも内出血しているのか。その傷の深さすらわかりません。病気や怪我と違って、ココロがきずついたからすぐに病院へ行こう、ということにもなりません。

何気なく言われた言葉できずついても、すぐに忘れられる時もあるかもしれません。でも、忘れたくても忘れられないほどココロがきずついてしまう時もあるのです。人から言われた言葉でココロをきずつけられた人は、その傷を抱えたまま、苦しい思いをしながら日々を過ごすことになるのです。

そこまで人を苦しめてしまう言葉とは? それは、その人自身の存在を揺るがし、その存在さえも消してしまうような非難、否定の言葉です。

言いたくなってしまっても言うのを避けるべき言葉とは、相手の顔や外見をけなす、非難する言葉です。私たちの顔は日ごとに、そして思うように変えられるものではなく、自身の大切な一部です。その大切な顔や外見を批判、否定するような言葉は、その人自身の存在を否定することに繋がります。外見だけでなく、その人の持つ体力や能力についても同じことがいえます。

「消」や「死」がつく命令的な言葉も言うのは避けるべきです。「生」もネガティブに使う(〇まれてこなければよかったのに!等)のは×。このような言葉は、生身の人間には受け止めがたい言葉です。

おうちの中での「出ていけ!」も禁句。とくに未成年の子どもに言うのは慎みましょう。言われた子どもが、素直に家を出てしまった場合、その子が安全な場所で一晩を明かせるとはかぎりません。お部屋の中にこもっていたとしても、「自分はこの家にいない方がいいんだ、生まれてこなければよかったのかな」などと思ってしまったら、存在を否定されている、という悲しい思いがその子のココロに根付いてしまうかもしれません。

人の存在、生きているということを非難、否定するような言葉が発せられた時、その言葉は、言われた側のココロに傷を残します。一度や二度言われて耐えることができても、同じ人に言われ続けたり、多数の人から言われたりすると、ココロの傷は深くなり、癒えにくくなります。そのうえ、このように言葉で深くきずつけられた人は、そのような言葉を言われる自分の方がいけないような気持ちになったり、無力感を味わったりすることもあるのです。

人のココロを動かす言葉の力。言葉ひとつで、相手を励まし大いに喜ばせることもできれば、一方、人を悲しませることも可能になってしまいます。

とくに、自分がイライラ、ムカムカ、モヤモヤしているような時には、「自分が言おうとしている言葉、書こうとしている言葉は本当に伝えるべき言葉なのかなあ」と、ちょっと自問自答してみましょう。
コロナウイルス感染リスクの影響で、先の見えない、気が休まらない日が続いています。が、このような時こそ、慎重に、周りの人をきずつけない言葉選びをしていきましょう。

相手を励ます、共にココロが穏やかになるようなポジティブな言葉については、「ゆらゆら動く感情」vol.4「お勧めの言葉」を見てくださいね。 

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