top of page

相談例③ 夜間の牛乳の飲みすぎ

2021年1月

グレーストライプOnesie

1歳7ヶ月の息子の牛乳について

質問させていただいてもよろしいでしょうか。

 

1歳を過ぎたあたりから牛乳を飲むようになりました。

そのころ夜間のみ断乳を始めました。

夜間にお腹が空いて目覚めたときのために

枕元に、緩く温めた牛乳をストローマグに入れて

目が覚めた時に飲ませ始めたのがきっかけです。

今では330ミリリットルのマグに一晩で3〜4回

おかわりします。

オッパイの代わりに牛乳に依存しているような節があると思います。

(朝までノンストップで寝続けることはないので

目を覚ますと寝ぼけながら自分で牛乳を飲みます。)

 

昼間は麦茶を飲むので、牛乳を飲むのは夜間のみです。

食事のときに牛乳を飲むと牛乳でお腹が膨れてしまい

食事があまり食べられないと聞きました。

歩き(走り?)始めて、運動量と共に食べる量も

増えてきたように思いますが、

まだまだ少食なほうだとは思います。

 

最近は、極寒のため外遊びもたまに、

コロナのためショッピングモールのプレイエリアも連れて行けず、

自宅内で遊ぶばかりです。

運動不足と牛乳(脂肪分?)の取りすぎなのか

すこしぽっちゃりしてきました。

自宅内では常に走り回っているのですが、、、

お腹はすごく立派です。

 

主人は、明らかに過剰摂取だろう、と言っています。

わたしは、理由は存じ上げないのですが

最近は牛乳を飲ませない育児?もあると

どこかで聞いた気がして。。(脂肪?発がん性?)

 

一晩で1リットル飲んでしまうのは

飲み過ぎだと思います。

ただ、牛乳を枕元に置いておくと寝るので

助かるということもあり。。

 

医師の方から見て、

やはりこの飲み方はやめさせたほうが

良いでしょうか?

​相談者:1歳児のママさま​

Logo_LaTerre-LaMère+nom.png

​担当: 小児科医 まゆこ

​ご回答

相談者様のお子様は1歳7か月で、夜間に約1Lの牛乳を飲んでいらっしゃるということですね。

夜間に赤ちゃんに泣かれると、母としてはとてもつらいし、できるだけ赤ちゃんにも満足に寝てもらいたいですよね。

私としては、「ママに負担のない育児」をいつも推奨していますので、 そのお気持ち、すごくよくわかります。

ただ、夜間に牛乳を1L飲むことについて、やはり少し問題点があります。以下に挙げていきます。

①水分の摂りすぎ

②牛乳の摂りすぎ

③常温の牛乳の衛生的な問題

 

まず、一番に問題なのは、①水分の摂りすぎです。

相談者様のお子様は1歳7か月ということで、体重は9-12kgくらいでしょうか。

そのくらいのお子様の体重から考えると、夜間だけで1Lの水分を摂取すると言うのはやはり多すぎるのですね。

日中はどのくらい水分を取っていますか?

日中も早いペースで水分を欲しがりますか?

 

その分おしっこもたくさん出ていると思いますが、ずっしりしたおむつを夜間に何度も替えなければならないということはありませんか?

 

たくさんの水分を取りすぎると、腎臓はがんばって水分を排出しようとしますが、それでも間に合わないと、体内の電解質バランスが崩れる恐れがあります。

 

次に②牛乳の摂りすぎです。相談者様もおっしゃる通り、脂肪分過多になる可能性もありますが、1歳台で心配なのは、「貧血」です。

1歳台のお子さんは、通常でも生理的に「貧血」になりやすい時期です。

牛乳と言うのは、意外にも鉄分の含有が少ないですので、栄養摂取を牛乳に頼りすぎてしまうと、鉄分が不足して、貧血を助長してしまう恐れがあります。ですので、やはり、他の食べ物もバランスよく食べてもらうためにも、牛乳を飲み過ぎるとよくないことがあります。

 

さらに③衛生面の問題があります。

夜に少し温めた牛乳を枕元に置いておいて、と言うことでしたが、1つのマグはどのくらいで飲み干しますか?

何度か口をつけては、また置いておいて、と言う風になると、牛乳は栄養分がたっぷりですので、たくさんの雑菌が繁殖する恐れがあります。

やはり、牛乳やミルクは、常温に長時間おかず、口をつけたものはすぐに廃棄して、次に飲むときは新しいものを用意した方が良いです。

 

 

相談者様のお子様の場合、習慣的に夜間牛乳をたくさん飲むようになり、それによって安心して眠れる、というサイクルから、それが常態化しているように思います。

  母も子も、夜間の牛乳に「頼ってしまっている」状態ですね。  

こういったことは、珍しいことではなく、乳幼児にはちょくちょくみられます。

同じ小さい子供を育てる母として、相談者様のお気持ちすごくよくわかりますが、今後のことを考えて、この常態化してしまったサイクルをすこしずつ変えていきましょう。

例えば、「夜間の牛乳の回数を減らす」、もしくは「一回量を減らす」ということから始めてみましょう。

最初は、お子さん、習慣になっていたものが変わって、泣くと思います。

その間は、親も子も辛いですが、それは長くは続かないはずです。

数日間、長くても1-2週間のうちに、新しい環境に慣れていくと思いますので、ぜひやってみてください。

 

 

一方で、頻度は非常に稀ですが、「多尿からくる多飲」という病態があります。

この場合は、飲む量を減らしてもおしっこの量が減りません。

ですので、牛乳の量を減らしたのに、夜間のおむつ替えの頻度や、おしっこの量が変わらないということがないか、もしくは水分をあたえなければぐったりするということがないか、というのは注意深く観察してくださいね。

これは大変頻度の低いことですので、心配し過ぎる必要はありません

 

以上、長く煩雑になりましたが、相談者様のお役に立てれば幸いです。

また、わかりにくい点や追加の質問等あれば、いつでもご連絡ください

bottom of page